空港で働くプロフェッショナルたち【グランドスタッフ・グランドハンドリング・貨物のお仕事】

今から数十年前、華やかな航空業界にあこがれて就職試験を受けたことがある私。残念ながらご縁がなくて仕事をすることはできませんでしたが、今でも空港に行くとワクワクする気持ちは変わりません。

日本の空港って、世界中からの評価がとても高いですよね。

2017年の世界の空港ランキングでは、

  • 羽田国際空港が2位
  • 中部国際空港が7位
  • 関西国際空港が12位
  • 成田国際空港が14位

と、なんと15位以内に4空港がランクインしています。
(参考:The World’s Top 100 Airports in 2017)

日本では定時に運航するのは当たり前ですが、海外では出発時間になっても飛ばないなんてことはよくあるので、外国人からの評価が高いのもわかる気がします。

日本の空港の定時運航率が非常に高いのは、空港の裏方で働く「縁の下の力持ち」がたくさんいるから

今回、航空連合のプロジェクトの一環として、空港の見えない裏側で働く人たちを見てきましたが、プロフェッショナルで本当にかっこよかった!!私達がいつも飛行機を利用できるのは、このような空港を支える人たちがいるからなんですよね。

空港の裏側で働く人たちのことをもっと多くの方にも知ってほしいし、「空港で働きたい」、「飛行機関係の仕事がしたい」そんな人たちのもとにも届くといいな。

※この記事は、JFAIU(航空連合)様のご協力の元、特別に許可をいただき取材させていただいておりますので、写真転載はご遠慮ください。

JFAIU(航空連合)が抱える深刻な問題とは

JFAU(航空連合)は、1999年10月に結成された航空関連産業で働く仲間が、企業グループの枠組みを超えて結成された産業別の労働組合です。

2017年3月現在、全国の54の組合と38,125人からなり、働く人の声を拾いあげながら空港関連産業の健全な発展を目指して活動しています。

そんな航空連合の松岡宏治会長から、今の航空業界のトレンドを教えていただき、一緒に羽田空港の中を回りながら、「空港で働く人たち」のリアルな姿を見てきました。

航空業界のトレンドは右肩上がり!でも人材不足の問題も

日本の航空業界は、国内旅行者は微増ですが、訪日外国人旅行者の数が増え、国際線の傾向は右肩上がりに伸びており、今後2020年の東京オリンピックに向けて、現状の2倍から3倍の訪日外国人旅行者を受け入れる必要があるのだそうです。

しかし、空港で働く人材不足は深刻な問題なんだとか。

空港で働く魅力発信プロジェクト

(画像:JFAIU様資料より)

空港関連産業で働くことの魅力をもっと多くの人に伝えるために、「空港で働く魅力発信プロジェクト」が発足されました。

若い方にもっと興味を持ってもらおうと、航空連合がプロデュースした面白い動画がYoutubeにあるんですよ。

◆働く空港あるある!?ソング~裏方編(2分58秒)

空港にはいろんな仕事がありますが、今回のプロジェクトでは、この動画の中に登場する「グランドスタッフ」、「グランドハンドリング」、「貨物」の3業種に焦点を当てています。

実際にどんなことをしているのか紹介しますね。

グランドスタッフのお仕事

空港に到着して、まず最初にお世話になるのがグランドスタッフ

空港の接客業務全般を行っています。

「CA(キャビンアテンダント)が飛行機に乗らない間にする仕事でしょ?」と間違える方もいますが、仕事内容が全く異なる地上職のプロフェッショナルです。

【グランドスタッフ業務内容】
チェックイン・案内、出発ゲート、コントロール業務等

グランドスタッフは、飛行機に乗るお客様のチェックイン手続きを行い、荷物をお預かりしたり、誘導やアナウンス、また定刻通りに出発することができるように、出発間際に来ていないお客様を探したりもします。

1日に3万歩以上歩いているというから驚きますね。

荷物の取り扱いは丁寧かつスピーディーに

カウンターで預けた荷物はベルトコンベアで運ばれますが、よく見るとコンベアは2ルートあります。「大きいもの、長いもの、壊れやすいもの」などは、流れが緩やかなベルトコンベアで分けて流しています。

また、グランドスタッフのいるカウンターの裏側には、ペット用のゲージやギターコンテナ、ガンソードケースなど特別な荷物を入れるための様々なケースが用意されていました。

精密機器などの壊れやすいものは、ベルトコンベアに載せずに自分で運ぶことも。

お客様の大切な荷物が壊れないように、空港の裏側ではこんな工夫もたくさん行われているのです。

お客様とのコミュニケーションを大切に

お世辞にも広いとはいえないカウンター内から、困っているお客様はいらっしゃらないか、泣いているお子さんはいないかなど、細やかな目配りをしています。

グランドスタッフさんに仕事上のエピソードを聞いたところ、

「後輩(のグランドスタッフ)が、お客様が飛行機に乗る前のわずかな間に、とても素晴らしい気配りをしていて、私にはとてもできないことなのですごいと思いました」

と、まず後輩の素晴らしいエピソードを教えていただき、上下関係なく、尊敬できるところは自分にも取り入れて、よりよい接客をしたいという気持ちがとても伝わってきました。

目配り、気配り、心配りの優しさはお客様に対してだけでなく、スタッフ同士にも行っているからこそのチームワークなのでしょうね。

グランドハンドリングのお仕事

航空機の出発・到着に伴う地上作業全般がグランドハンドリング。略して「グラハン」。

空港の滑走路敷地内で大きな航空機を誘導したり、たくさんの荷物を搭降載したり、まさに「縁の下の力持ち」集団です。

【グランドハンドリングの業務内容】
マーシャリング、PBB(搭乗橋)着脱、プッシュバック、手荷物・貨物搭降載、機内清掃等

グランドハンドリングには、私が聞いたことがない言葉もありましたが、実際に空港で見たことのあるお仕事でした。

マーシャリングとは
航空機が侵入してくるときに安全にハンドリングで誘導する作業。

プッシュバック
航空機はバックすることができないため、引いたり押したりして移動させる作業。

手荷物・貨物を搭降載する荷さばき場

搭乗手続き時、カウンターでグランドスタッフの預かった荷物が、ベルトコンベアで荷さばき場に運ばれてきます。

運ばれてきた荷物は、各便(行先・出発時刻別)ごとに振り分けられ、コンテナに積み込まれますが、その作業時間はわずか40~50分!

時間帯によっては便が集中することもあるので、かなり効率的に行わなければなりません。ここで少しでももたつくと出発が遅れてしまうから大変です。

基本的にはベルトコンベアで流れてきた順番に奥から積み込みますが、出発間際になっても搭乗口に現れないお客様がいた場合は、そのお客様の荷物を降ろすために手前の荷物を全部降ろさないといけないこともあるのだとか。

想像しただけでも大変な作業ですが、出発時刻を遅らせないためにもチームワークで頑張っているそうです。本当にスゴイ!!

アジアの某空港で、荷物を放り投げている様子をみて驚愕としたことがありますが、日本の国内線で荷物がなくなったり、破損したという話はほとんど聞いたことがありません。

出発までの限られたわずかな時間の中で、このように正確で丁寧な作業によって荷物が積み込まれているからなのですね。

貨物(AIR CARGO)のお仕事


航空機には、手荷物だけでなく様々な貨物(AIR CARGO)も一緒に積み込まれます。

【貨物の業務内容】
受託、軽量、搭載計画立案、積み付け等

物流の動きがわかる

「日本の物流がわかるのでとても楽しい。」

貨物で働いていた方が話していましたが、運びこまれるものには、生鮮品や生き物d、車や美術品、医療用機器などもあり、ありとあらゆる貨物が集まる物流の要の場所です。


大型トラックが次々に構内へ入っていき、フォークリフトで荷物の積み下ろしが行われています。もちろん、手続きは必要ですが一般の方も直接荷物を持ち込むことは可能です。

安全かつスピーディな作業


フォークリフトの技を競う大会もありますが、大会でペットボトルを落とさずに持ち上げて競うのに比べて、お客様の荷物を扱うほうが数倍難しいのだそうです。

「”うに”を持ち上げたときに、箱が傾いたら片側に寄ってしまうでしょ」と。

なるほど、おっしゃる通りです。ここにも品質を守りつつ、安全かつスピーディに作業するプロフェッショナルな技とプライドを感じることができました。


女性スタッフも働いています。

床には細かいローラーがたくさんついているので、大きなコンテナもスイスイと動かしていました。

荷物をコンテナに無駄なく詰めていきますが、隙間なく詰めるためにはちょっとしたコツとセンスが必要です。

搭載する荷物の重さや形を素早く頭に入れて、どこにどの荷物をどの順番で入れていくかを考えながら作業をし、リアルなパズルゲームやテトリスのように頭を使って荷づめを行っているのだとか。

だから、スーパーで買ったものを袋に詰めるとき、やけにきちんと入れてしまうという面白エピソードもあるそうですよ。

ANAエアポートマネジメントセンター(AMC)

ANAエアポートマネジメントセンターは(AMC)は、航空会社の司令塔です。

ANAが羽田空港で取り扱う国内線発着便は、1日に532便(2017年6月現在)もあるため、多くのモニターで各スポット周辺の様子を監視しています。

ここでは乗客数や貨物搭載量に基づいて飛行機の重量を管理したり、どの便をどのスポットに着けるかを管理したり、車いすの手伝いの方必要か、座席や機内食の管理などもしています。

室内にはたくさんのスタッフがいますが、各現場を経験してきたスペシャリストばかり。

台風や大雪などのイレギュラー時には、お客様への案内や振り替え、航空機の変更や現場のスタッフの配置など、ここで判断して空港で働く人へ的確に指示されます。

空港の裏側で働く人は、横のつながりがとても大切なのです。

運航支援者

部屋の奥には、パイロットをサポートする運航支援者のいるブリーフィングカウンターがあり、モニターでその日の天候や飛行ルートなどを確認することができます。

出発前のパイロットのためにフライトに必要な情報を用意して伝えています。

編集後記 航空連合の取り組みを知って感じたこと

今回、航空連合の「空港で働く魅力発信プロジェクト」という取り組みの中で、羽田空港の国内線を中心に見てきましたが、飛行機が出発するためにはたくさんの人が動いていて、遅れずに出発するためにいろんな部署との連携、チームワークがとても大切なのがよくわかりました。

国内線は1日の内に何往復もしているため、台風や大雪などの悪天候で遅れが出ると、次の便や他の空港の便にも影響があるため、空港で働く人たちの腕の見せ所ですね。(私は添乗の仕事を経験したことがあるので、イレギュラーな大変さは本当によくわかります。)

プロフェッショナルな姿は本当にかっこよかったので、もっとたくさんの人に伝わればいいなと思い動画でまとめてみました。

◆空港で働く人たちのお仕事(3分32秒)

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また、航空連合の公式サイト「空港の裏方お仕事図鑑2017」の中でも詳しく紹介されています。もし、空港の仕事がしてみたいな……という方がいたら、教えてあげてくださいね。

訪日外国人旅行者の数は2,400万人を突破し、その約95%が航空を利用しているため、空港は日本の玄関口といってもよいでしょう。そんな空港で働くプロフェッショナル達がますます増えることを願っています。

*取材をさせていただきました「航空連合」様、大変貴重な経験をありがとうございました。ケーキも美味しかったです。(羽田エクセルホテル東急「フライヤーズテーブル」787飛行機のシューケーキは1日5個限定でおすすめです)

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